ブルガリアとロマ問題

2019/09/04 13:55

ブルガリアは、その地理的条件によりギリシャ・ロシア・トルコの文化が入れ混ざった感じがします。
キリスト教やキリル文字はギリシャから伝わったものであり、言語・人種はロシア系のスラブ民族が主流、更にオスマン帝国500年の支配によるトルコ文化の影響が色濃く残っています。
人種はスラブ系白人が多数ですが、アジア系のトルコ人も居ますし、インド系の、肌が浅黒いロマも居ます。
ロマというのは、10世紀頃にインドの北西地方からヨーロッパ方面に移住してきた人々のことでイラン・ビザンチン帝国を経て、１４世紀からギリシャ、ヨーロッパ大陸に定着しました。
現在、ルーマニアやブルガリアを中心とした東欧に多く、両国のEU加盟によって西ヨーロッパに移住するロマも増えて来ました。
ジプシーと言う人も居ますが、これはイジプシャン（エジプト人）から来ています。
フランスではジタンと言うタバコの名前でも有名です。

ロマは、ナチス支配下のドイツではユダヤ人と共に強制収容送りになったという苦難の歴史を持ちます。
ブルガリアでは、道路掃除・ゴミ収集・公共事業などの仕事に就いて真面目に働いています。　よくゴミ箱を漁っているロマも見かけます。
日本では考えられませんが、ブルガリアには未だに乞食・物乞いが存在します。
お金を恵んでくれと道に座って居るのや、通りすがりに小銭を催促するのや、レストランで食事中の人に金を無心するのが居ます。
スリや引ったくりをやるのもロマで、貧困が犯罪を生む典型例でしょう。
ブルガリアには人種差別以前に、ロマ問題があるのです。
ロマの馬車